北朝鮮ツアー6万5千円? 7月出発を謳っている可能性があり注意を

【6月出発】国際列車で行く北朝鮮旅行4泊5日で1人6万5000円?(一部へモザイク)
【6月出発】国際列車で行く朝鮮旅行4泊5日で1人6万5000円?(一部へモザイク)

うその北朝鮮ツアー募集に注意

 先日お伝えした「北朝鮮旅行へ行ける?」の続報です。

 中国のSNS上で飛び交うツアー募集についてご紹介しました。

 「大連から4泊5日、国際列車利用での朝鮮ツアー大人1人約6万5000円」

 控えめに言って虚偽、うその募集です。

 7月10日現在でも中国人向けの朝鮮観光は再開されていません(新義州や羅先などエリア限定の旅も含めて)。

 このツアー情報は、WeChat(ウィーチャット・微信)で友人限定に表示されているものです。

 そのため、ウィーチャット上を検索してもヒットしません。

 多くの日本人の皆さまは、この情報に接することはないと思われますが、念のためのご注意ください。

 前回の記事の後、中国人のお客さまに確認したら、実際にツアー費用を振り込んだ…という人がいるそうです。

 当然ながらツアーは実施されておりません。

 さて、振り込んでしまった旅費はどうなったのでしょうか。

 おそらく、返金されていないでしょう。

北朝鮮旅行で危険なのは中国?

 これらのツアー情報の発信者から私たちには、「朝鮮ツアーへ行ける。旅費を振り込んでください」なんて誘いはまったくありません。

 相手も私たちが、朝鮮観光を手続きできる代理店資格を持っている旅行会社だと知っているからでしょう。

 まだ調べていませんが、7月も同じように、たとえば、“7月12日出発ツアー”などを謳った朝鮮ツアー募集を出していると思われます。

 日本人の皆さまは、振り込んだりはしないと思いますが、どうぞご注意ください。
 
 こう考えると「北朝鮮旅行での危険」は、朝鮮ではなく、中国人や中国企業なのではないかと思ってしまいますね。

 ご質問やお申込みはこちらからお気軽にどうぞ。

「北朝鮮旅行 注意」北朝鮮を訪れると入国が面倒になる国がある!?

北朝鮮旅行したらアメリカへ行けない?
ロサンゼルス国際空港(LAX)

訪朝再開後に変更の可能性もあり

 よくご質問をいただく北朝鮮旅行での注意についてです。

 まだ、朝鮮観光は再開されていません。そのため、この情報は、新型コロナウイルスまん延防止で中断される前のもの(朝鮮観光の情報)と世界情勢(日本やその他の諸国の現状)に基づくものです。

 朝鮮観光再開後には変更される可能性があります。

北朝鮮へ旅行すると米国ESTAが利用できない

 大きな注意としては、日本人が北朝鮮へ入国すると米国のビザ免除プログラム(ESTA)が適応外となります。

 つまり、日本国籍者であれば、米国入国前にESTAを取得しておけば、米国へビザなしで入国、滞在が認められているのですが、できなくなり、ビザを取得しなければならなくなります。

 多くの人がB-1かB-2ビザに該当すると思われますが、米国大使館や領事館へ面接へ出向く必要があり、お住いの地域によっては費用も時間もかかることになります。

 この政策は、トランプ前政権で始まったものなので、バイデン政権では解除、緩和されると予想されてました。

 しかし、現時点でも解除されておらず、現政権下での解除は厳しいと思われます。

公式回答「正規の米国ビザを取得してください」

 皆さまご存じの通り、観光目的で朝鮮へ入出国した場合、入出国スタンプはパスポートには押されません。パスポート上は、スタンプはなく、中国出国と入国スタンプのみが残ることになります。

 パスポートをまじまじと観察すれば、空白期間があるのでわかるのですが、通常の入国審査では、そこまで世界的に信用度が高い日本のパスポートの査証ページを凝視しないでしょう。

 実際に、コリアツアーズが聞いた話では、訪朝歴がある日本人が米ESTAが無効になることを知らずに渡米して問題なく入出国した人もいるようです。

 しかし、特定される確率が低いとしても、米国入国時に訪朝歴が確認されて入国拒否となると、おそらく、アメリカ合衆国が存在する限り一生涯入国拒否となるリスクがあります。

 よって、私たち旅行会社の公式回答としては、「正規の米国ビザを取得してください」というのが回答となります。

 というわけで、SNS上でよく流れている「北朝鮮に行くとアメリカに行けない」は正しくない情報となります。

パスポートに渡航歴が記録される?

 最後に都市伝説的に言われているパスポートの仕様についてもお伝えします。

 インターネット上には、パスポート所持者の渡航履歴やルートがパスポートに記録されているという噂(うわさ)があります。

 現在、主要国のパスポートには、ICチップが内蔵されており、そこに保存されているというものです。

 このICチップは、ROM(ロム)であって、RAM(ラム)ではないため、ICチップには、パスポート所持者の名前、生年月日、パスポート番号、国籍、発行国、国よっては目の色、指紋などの個人情報が保存されているだけとなります。

 読み込みのみで、書き込みはできないので、少なくても内蔵ICチップへ渡航履歴やルートは記録できないことになります。

 ご質問やお申込みはこちらからお気軽にどうぞ。

北朝鮮グッズNG3種類 ビール・化粧品・たばこ 持ち込み要注意品

北朝鮮の人参入り化粧水
朝鮮の人参入り化粧水

中国に戻ってきた北朝鮮製品

 まだ、中朝国境の全面開放や旅行再開の話は聞こえてこない状況ではありますが、中朝貿易は徐々に新型コロナウイルス前に戻りつつあります。朝鮮製品が中国へ入ってくるようになっています。

 今回、コリアツアーズが入手したのは、朝鮮で製造された化粧品セットです。

 大連の朝鮮貿易を行っている会社から購入したものです。

 同じセットは、中国最大のECサイト淘宝網(タオバオ)でも販売されています。

 現在、中国在住者であれば、誰でもどこでも買うことができます。

 コロナ禍での在庫切れで販売店が減っていた大同江ビールも増えてきたようです。

 しかし、中国も物価高の影響で全体的に価格は上がっています…。 

中国で購入できる北朝鮮の化粧品セット
中国で購入できる朝鮮の化粧品セット

化粧品や大同江ビールは日本へ持ち込まないように

 コリアツアーズが手配させてもらったお客さまには事前のブリーフィング等でお伝えしているのが、朝鮮製品は日本へ持ち帰らないことです。

 特に厳しいのが、工業製品です。

 ビールを含むアルコールや飲料、化粧品、たばこなどです。

 労働新聞や雑誌、切手など紙媒体、紙製品は、ハンドキャリーでの持ち込みは禁止されていますが、個人輸入であれば1部ずつに限り認められます(経済産業省へ確認済み)。

 ただし、お届け先のご住所が把握されるので、気になる方は、こちらもやめたほうが良いでしょう。

 このような日本と中国の最新情報は、常に収集に努め、手配するお客さまへフィードバックさせてもらっております。

 ご質問やお申込みはこちらからお気軽にどうぞ。