日本人旅行者へ開放された朝鮮・新義州旅行記(お客さまの声より)

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開放された北朝鮮・新義州旅行記(お客さまの声より)

よく見る光景とは反対に対岸が丹東。未体験地の新義州の魅力

 今回は特別掲載で新義州を訪問したお客さまの体験記をご紹介します。旅行者は50代の男性です。

 下記の本文はいただいた原文のママです。掲載写真もお客さまから提供写真いただいた写真です。ぜひ平壌と一緒に中朝国境の新義州も訪れてみませんか?

平壌からガイドと一緒に国内列車で新義州へ。観光地や食べ物、新義州の雰囲気は?

 最近解放された新義州訪問についてすこし旅行記風に詳しく書いて送ります。

 新義州には平壌を訪れた後に行きました。大雑把に行程を記すと下記の通りです。

平壌-(鉄道)-東林-(送迎車)-新義州-(鉄道)-丹東

 まず、平壌でガイドの一人と運転手さんと別れ、ガイドさん一人と列車にて東林に向かいました。北京・丹東方面の国際列車の国内利用です。昼食は列車食堂車にて食べました。これはあらかじめガイドさんにリクエストしておきました。日本では定期列車の食堂車はなくなったため懐かしい体験となりました。田植えの光景を見つつ、寝台車なので横になりつつ、14時30分ごろ東林の駅に着きました。

東林ホテル
東林ホテル

 東林の駅に着くと新義州の旅行社のガイドさんと合流して、東林のホテルへ行きました。このホテルは近くの山の登山にも使われており(往復1日コース)まず最初に山に登るかどうかを聞かれました。もとより私は登山はする予定はありませんでした。少し休憩ののちに、近くの滝に散策に行きました。ここは戦前から避暑に訪れる人が多く、日本人の書いた石碑も残っていました。楓が多くて秋は紅葉が良いのではと思いました。

東林ホテル近くの景勝地
東林ホテル近くの景勝地

 このホテルを利用する人は中国人が殆どで、ホテル内では人民元(貨幣も可)が使え、飲み物等も中国国内価格に準拠した価格で販売してました。夕食後には中国の団体さんのためにかショーが行われ、日本でいうところの温泉ホテルのノリで楽しませていただきました。

新義州の市街地
新義州の市街地

 翌日は半日強の新義州観光です。ホテルを専用車で出発したあと、2、3時間かけて新義州まで移動しました。田植えの行なわれている山もある田園地帯を車はのんびりと進んでいきます。平壌とは違った雰囲気に興味津々です。ただところどころで工事をしている場所があり、車が揺れる場合があるので車酔いに弱い人は気をつけた方が良いかもしれないです。そして、新義州に近づくに連れ検問所が多くなり国境の町に近づいているのだなあと痛感しました。

新義州の化粧品工場
新義州の化粧品工場

 新義州最初の訪問地は郊外にある化粧品工場です。ここでは高級化粧品などを取り扱っており、最終工程の箱詰めを見ることができます。また、付属の販売所では見学者を対象に化粧品の直売をしています。

 少し走って新義州の町中に入ってきました。ここは町の開発を行っており、平壌と似たような新しいビルが沢山立っていました。新義州では町中の公園、歴史博物館、産業博物館、絵画ポスター作成の芸術工芸社(?)などを見てきました。順序や詳細は少し思い違いがあるかもしれないです。

新義州名物のシャコ
新義州名物のシャコ

 昼食ですが、朝鮮最後の食事には地元の名産ザリガニをリクエストしました。200元では2人(平壌のガイドさんも含む)は多いので交渉のすえ100元分にしてもらいました。でザリガニと思ったら、日本でいうところの蝦蛄でした。生で老酒の少し入ったつけだれに入っており8匹程入っておりました。中国の人が好みそうな料理でした。平壌から同行してくれたガイドさん曰く4、5人でもこの量で充分だと言っていました(※コリアツアーズ補足 シャコ(蝦蛄)は対岸の丹東を含む中国の遼寧省でも好んで食べられる高級食材です)。

断橋(左)と中朝友誼橋(右)。中央の建物は旧安東神社跡地
断橋(左)と中朝友誼橋(右)。中央の建物は旧安東神社跡地

 昼食後は朝鮮側から鴨緑江断橋の見える公園?に行きました。丹東から鴨緑江断橋に向かって朝鮮側を見ると良く見えるる手摺のあるところです。ここは日帰り往復で船に乗ったツアー(中国人専用)の人のみが上陸できる場所でしたが、新義州訪問解放に伴い観光目的の日本人も訪れることができるようになりました。ここでは写真撮影可能ということで、記念写真を撮りました。恐らくこの場所から鴨緑江断橋を見たことのある日本人は非常に少ないのではとガイドさんが言っていました。

本部幼稚園の発表会
本部幼稚園の発表会

 さて、新義州最後の訪問地は、朝鮮でもトップクラスの幼稚園訪問です。ここは特に技芸に優れた子供たちが揃っておりその練習風景と簡単な発表会を見てきました。中国の団体さん2~3組とともに見まして1時間ぐらいのプログラムです。よく練習されており朝鮮旅行最後のフィナーレとしていろいろな意味で楽しい思い出ができました。

新義州青年駅
新義州青年駅

 とうとう朝鮮最後の時が来ました。帰りも新義州から鉄道に乗って丹東に出国です。本来なら車で出国予定でしたが、中国税関の都合により車の出国が不可能になり、中国の団体さん(東林のホテルで泊まった人や幼稚園で発表会を見た人も含めて)と一緒に国際列車に乗ることになりました。そのため新義州駅ホームは混雑しており、出国対応で職員の方はてんてこ舞いでした。職員の方が腕に載せれるだけのパスポートを載せ、団体の方々に返却していく様はすごかったです。ここで平壌からのガイドさんと別れを惜しみました。でも、ホーム上で別れを惜しむことができる列車の旅っていいなあと思いました。

 列車は超満員で通路デッキも満員と言っても1区間数分の鉄道乗車なので良い思いでになりました。ですから、丹東の入国手続きもかなり時間がかかり、私の場合は1時間かかりました。

 丹東に着いた後次に乗る列車までに時間があったので、もう一度鴨緑江断橋の見えるところまで行き朝鮮側を眺めてきいました。先程は対岸のあの手摺の場所のところに居たんだなと思うと、少し懐かしくもありどことなく奇異な感じでもありました。地続きの国境を持たない日本人の感覚かもしれません。まあ人によって違うかと思いますが。

平壌とともに新義州も訪れて陸路の国境という日本では経験できない非日常的な光景をぜひ

 掲載ご承諾、有り難うございます。

 普段、ニュース等でも見慣れている中朝国境の鉄橋を反対のアングルから眺める。しかも、それが国境を越えた異国というのは確かに「少し懐かしくもありどことなく奇異な感じ」になるでしょうね。

 このお客さまは、その後、丹東から中国を北上し瀋陽、ハルピン、中ロ国境の街で貿易区として目覚ましい発展を見せる綏芬河からロシアへ入国しポグラニチニ、ウスリースク、ウラジオストクまでの国際列車を旅を楽しまれています。

 陸続きの国境を持たない日本人には陸路でのボーダー越えはワクワクする非日常的な体験ですね。ぜひ鉄道での3か国越境の旅をされてはいかがでしょうか?

 ご質問やお申込みはこちらからお気軽にどうぞ。

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